福岡、本・本屋・読書の云々

2011年11月16日

読書で「学び」が生まれる瞬間

昨日(2011.11.15)は博多非凡塾・読書倶楽部、11月定例会。
 
課題図書『君たちはどう生きるか』を中心素材として、様々な想いや考えを語り合いました。
 
メンバーからは「今年の課題図書でナンバーワンですね」といった声も多く、「さすが75年も読み継がれてきた作品は違う!」といったところです。
 
でも、そこが実は1つの落とし穴。
 
コンテンツに説得力があり、内容が素晴らしいと、ただひたすら「おー、素晴らしい!」という「鑑賞」に近いスタンスで本を読んでしまうんですね。
 
 
 
博多非凡塾・読書倶楽部では、「本について語らず、本を通して考えたことを語る」ことを大事にしています。
 
「この話いいよね」といううわべの感想で終わらせてしまったら、心にも、記憶にも、何も残りません。(記憶の保持期限って本当に短いものですからね!)
 
マズローの言葉を借りれば

「その後これが消失するなら、私にとって何も起こってはいない」
──『人間性の最高価値』第12章 教育と至高体験より

という悲しいお話です。
 
その落とし穴に、読みやすい良書であるがゆえに陥ってしまう危険性があるんですね。

読書で「学び」と「成長」が生まれる瞬間

結論を先に言ってしまえば、本の内容が「力」になる瞬間というのは、私たちの中に「問い」と共に、深く入ってきた時
 
だから、なのです。
 
今どきのビジネス書を読んでも、それでビジネスや人生が変わる人はほとんどいません。
 
その学びがいかに大きく感じても、です。それは「一時の体験」で終わり、成長にはつながりません。
 
その本を何回読んでも同じ。
 
心の揺れも記憶も、時間の経過とともに静まり、やがて消えてしまいます。
 
 
 
「問い」、つまり問題意識のない「理解」は、どこまでも他人事です。
 
他人事(ひとごと)が自分事になった瞬間にこそ、学びと成長がある、と。

「問い」を持って読もう。「問い」が生まれる出力をしよう。

だからこそ、感心して終わらない、感動して終わらせない、語る時に「鑑賞者」の視点で語らない、という姿勢が必要です。
 
 
読みながら、自分の現場での体験に結びつけて考える。
 
もし本が使えるノウハウしか書いていなければ、ここでは問いは生まれません。

コロンブスの卵の話を読んで卵を立てられるようになったとしても、あなたは何ら成長していないのです。

それを実行してみて、あるいは人に伝えようとしてみてとまどう。
 
もし、とまどいがなければ、おそらくまだ本当の学びにはなっていないはず。
 
入力したはずの内容と、出力とがスムーズにつながらず、「?」と立ち止まって出力を調整しようとする。
 
そういう体験が生まれるまで、出力を続けなければ本当の問いも、本当の学びも生まれません。
 
 
そういう「問い」を持って読み、「問い」が生まれるような実践をすることが必要です。

生まれた「?」を逃さない!

だからこそ、なんですが、読んでいる時もスイスイ読み飛ばさないで欲しいんですよ。
仮にあなたが速読できる人だったとしても!
 
自分の中にさざめくように生まれては消えていく小さな「?」を流さないで読んで欲しいんですよ。こういう本は。
 
 
極端なところでいうと、P.141に、主人公(少年)に対して、人生のアドバイザー的なおじさんが「考える」ことを求める場面があります。

「僕は、わざとこの問題の答をいわないでおくから、
 君は、自分で一つその答を見つけてみたまえ。」

ここを何があっても読み流しちゃダメなんですね。
 
 
主人公に身を置き換えて考えてみる。
 
徹底的に考えてみる。
 
その上で最後まで読み切り、実生活に戻る。
 
こういう良質な問いは、思考を活性化してくれますし、世の中を見るアンテナの感度を確実に高めてくれます。
 
 
大事なことなので、最後にもう1度、違う表現で書いておきますよ。(^^*

本を読む時は、どれだけ「分かった」を手に入れたかが大事なのではなく、どれだけ実生活に根ざした問題意識とリンクする「問い」を手に入れることができたか、が重要なのです。

だから今どきのビジネス新刊書はfeelin'goodな学びの多さに比して成長が少ないし、ドラッカーや「7つの習慣」は、かかる時間に比例して成長が加速していくのです。
 
 
あなたは、この本を読んで、どれだけの「問い」を手に入れたでしょうか?
 
よかったら、もう1度、この本を読み直しながら、「本を通して実生活を考える」作業をしてみてください。d(^^*


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